八戸でよく食べた謎のデザート「こうせん」

八戸に住んでいた頃、特に小中学生の頃によく食べたデザート「こうせん」。こんな食べ方をします。

  • 袋に入った「こうせん」の粉を皿に移す。
  • 「こうせん」は、灰色の粉で、パサパサ。それに砂糖を混ぜる。
  • 水を加え、練る。形が残る程度のねっとりした堅さが好み。
  • 練り上がったら、氷を入れてさらに混ぜ、全体を冷やす。
  • 食べ頃。スプーンでどうぞ。

これ、夏場の暑い時期によく食べました。ばあちゃんにねだって、何度も買ってきてもらったのを憶えてます。うまかったなぁ。・・・でも、これって一体、何なんだろう? 感じでどう書くかも知らないし、原料が何かも分からない。謎のお菓子「こうせん」は、僕が住んでいる八戸から遠く離れている街のスーパーでは置いてすらいない。

で、調べてみると、おそらく一般的な呼称は「麦こがし」もしくは「はったい粉」。こがし・いりむぎ・むがいりこ・麦こうせん・おちらしという別名もあって、八戸での呼称「麦こうせん」は漢字では「麦香煎」と書くらしい。麦を煎って焦がしたものを挽いて粉にしたもので、食物繊維・カリウム・ミネラルに富むことから暑気払いとして非常に効果が高いそうです。特にカリウムの多さというのは、汗でどんどん体からカリウムが逃げる夏にはうれしい。

・・・おお! こうせんは、クーラーが無かった八戸の夏からさりげなく僕を守っていてくれたのか! ばあちゃんはその効能を知っていたかどうかは分からないけれど、きっと土着の知恵で「夏場にこうせんを食べると体に良い」ということを暗黙知として知っていたのだろうな、と思います。今度帰省した時には、大量に買い込んで職場の友人にでも紹介してみようかしら。田舎を代表するおやつとして、是非、「こうせん」を薦めたいなあ。さらに言えば、八戸の観光にも取り入れられないだろうか?

・・・と思いながらさらに調べていると、驚愕の事実が。こうせんの粉は、魚のエサとして広く使われています。うわー。金魚や鯉といった目を楽しませてくれるお魚のエサや、や、川釣りに重宝されるそうございます。・・・えーと、「八戸名産の夏のデザート」兼「お魚のエサ」、こうせんを是非お試し下さい。おいしいヨ!(「お魚のエサ」は完全に逆効果だなぁ、でも、お魚でもオイシイということで、前向きに解釈したいところ。僕はそんな事関係なく食べまくりますけどね)