Aperture Archive
'10 07月04日 (日) 06時55分 : Aperture補正ゼミ:僕の現像全部見せます

あれ? この写真、前にも見たけど?
...なんておっしゃる方もいらっしゃるかと思います。今回からシリーズ化しようと思っている「Aperture補正ゼミ」では、これまでに公開した写真の中から、Appleのデジカメ現像ソフト「Aperture 3」上での加工の手順をたどりながら、皆さんとノウハウを共有していければと考えております。一回目の今回は、先日加工・公開したばかりの上の写真の加工手順を見ていきましょう!
上の写真は、下の写真がもとになっています。何の変哲もない写真ですね(笑)

ステップ1:元々の写真をトリミング

最初のステップは、写真のトリミングです。
御存知の通り、このブログでは写真は正方形にトリミングしたものを基本としています。サイズは900px四方、「デカくて四角いサイト」という差別化をしようという意図です。正方形の写真の雰囲気も好きですし、大きな写真ほど写真のアラが見えるので修行のために巨大にしてしまおうという意図もあったんですが、何よりしたかったことは「差別化」。他のサイトさんと違うものにしたかった、というわけです。
で、トリミング直後の写真が右のものなんですが...まだ主題が定まらず、ボンヤリとした何の変哲もない風景写真になってしまっています。
本来は写真の両サイドに電柱やバス停留所があったんですが、バッサリと切ってしまいました。この時点で、なんとなく「塀の上にせり出す草原がキレイ」とか「道路ってカッコイイなぁ」とか考えてます。
ここからが、スタートです。
Aperture補正のコツ:写真をいじる前に、なんとなーく主題を決めておこう!
ステップ2:ホワイトバランス・露出・コントラスト・彩度などをザックリ補正

次に手を加えるのは、以下の項目群です。
- ホワイトバランス
- 露出
- 補正
上記の調整をした後が右の写真で、露出を大きく上げたんですが(Aperture上では「0.67」)、それ以外は微調整程度です。以下が詳細。
- コントラスト:「0.02」
- 彩度:「1.04」
ほんの少しだけコントラストと彩度を上げています。普通はホワイトバランスをいじることが多いんですが、今回の例ではホワイトバランスをいじる必要はありませんでした。
さて。露出を引き揚げることで、なんとなく主題に思えている「塀と、せりだす草原」辺りに光が当たり始めましたが、一方で道路と遠景にも光が増えて、白けてきています。「このままではイカンな...」と思いながら、次のステップへと進んでいきます。
ちなみに、「ホワイトバランス」「露出」「補正」は、そのままApertureの調整ツールの上から順に並んでいます。Apertureは、写真現像の際に処理したい順番を調査した結果をもとに、ツールの並び順を決めているんですよ!
Aperture補正のコツ:調整ツールの上から順番に触っていくと、割と良い感じ!
ステップ3:ビネットを付けて雰囲気を出す

ビネットとは、写真の周辺部(四隅のはしっこ)を暗くなっていることを指します。普通のカメラも見られますし、トイカメラなどでは強くビネットがかかっている撮影例が多いです。右の例でも、周辺部が暗くなることで、画面奥へと遠ざかっていく塀の部分に目線を導きやすくなりました。
Apertureではビネットにも「ガンマ」と「露出」の2種類がありますが、それぞれの特徴はザックリ以下のように憶えておくと良いでしょう。
- ガンマ:効きが強く、固めの印象。暗くした時に、彩度を維持しやすい。
- 露出:効きが弱く、やわらかい印象。暗くしたときに、彩度を落として黒くなりやすい。
「なんとなーくそれっぽーくなる効果」が得られますし、例えば写真の上隅がやたらと明るくなって白飛びしまった写真(暗い場所で空を入れてしまった時など)に使うと非常に楽にコントラストを取り戻せたりもしますので、使ってみてくださいね。「ハイライトとシャドウ」「カーブ」などで白飛びを解決しようとすると写真全体に影響が及んでしまいますが、ビネットだったら周辺部にしか影響は出ないので、便利です。
Aperture補正のコツ:ビネットは雰囲気を出すだけでなく、白飛びなどにも対応できますよー!
ステップ4:主題を決めたら、一気に写真全体を加工!

この辺りで、主題は確信できています。「塀とせり出す草原の力強さ」です。それ以外を目立たなくして主題を浮き立たせる...そのために使用したツールは「カラー」。特定の色に限って色相・彩度・明度を変えられるというもので、今回は「黄色」「緑」以外の色の彩度をギリギリまで切り落としてしまいました。
遠景の家々の色がくすみ、先程まで主題以外に目線を引っ張っていた「水色のシート」「赤い壁の建物」などの存在感が一気になくなりましたよね。逆に、主題となる塀と草原は存在感を増し始めていることがおわかりでしょう。
主題は画面の中央に横に広がっています。その上下が、目線を主題から引き離す部分です。
僕は主題について「雑草の一本一本が力強いのって、ステキ」と思っていたので、さらに周辺部を加工していくことになります。
Aperture補正のコツ:主題のためならエンヤコラ。大胆なカラー補正も全然アリ!
ステップ5:主題に向かって、さらにレタッチ!

Apertureの素晴らしい機能「ブラシ」。前のバージョン・Aperture2では写真全体にしか適用できなかったような処理も、ブラシをつかえば写真の一部分だけに適用することができます。
ここで行った処理は、以下のブラシです。
- 焼き込み(暗く):遠景と手前の道路部分だけ暗くして、主題をさらに浮き立たせる。
- ブラー:遠景と手前の道路の最も手前の部分をボカして、主題をさらに浮き立たせる。
両方とも、やはり主題を浮き立たせるための処理なんですね。
ブラシ処理をする時には、「Z」キーは必須です。「Z」は、写真を原寸大に拡大するショートカットで、ブラシのサイズを決めたら「Z」を押して大きくしながらマウスを動かすと、楽に部分指定できます。
また、ブラシの「やわらかさ」パラメータに注目してください。このパラメータをいじって柔らかいブラシを作っておくと、極端に明度が切り替わったりして「なんか、この写真変じゃね?」と思われてしまう最悪の事態を防げます。この写真もそうなってないと良いのですが...(汗)
ちなみに、Aperture3で追加された新機能・ブラシは、けっこうメモリを食います。可能なら、ブラウザのようなメモリを食うソフトは落としておくと、トラブルが防げますよ!
Aperture補正のコツ:ブラシを使ってこそのAperture。でも、メモリ不足だけはカンベンな!
ステップ6:主題を自問自答したら、最後のひとさじ

さあ、最後の処理です。
ステップ5までで、一通り僕の考える主題を浮き立たせることに成功しています。で、この写真でブログ記事を書くとすれば、どんな文章にしようかなぁ? とかボンヤリ考えるわけです。結論を出す前に、「M」キーを押して元々の撮影写真を見てみたりしながら、「自分の補正は正しかったか?自分の意図が正しく伝わっているか?」を自問自答してみましょう。
そのうち、少し違和感が出てきます。
- 「あれ? なんか、道路の矢印とかも、けっこうカッコイイんじゃね?」
- 「もう少しだけ、塀のテクスチャ感や草のイキオイを足したいなぁ...」
なんて具合に。
というわけで、最後の処理として以下を行ないました。
- ブラシ:シャープ:塀と塀の上の草部分にシャープをほんの少しだけ追加
- ブラシ:コントラスト:道路でブラーをかけなかった部分の質感を上げるため、効果を確かめるため何度かトライして、良かった処理を追加
ここまで来て、やっと主題が成立し、かつ道路表面のくたびれ具合という別の魅力まで見つけました。結果、「草原のような自然の力が、コンクリートやアスファルトのようなニンゲンの力を超え、砕き始めている」という文章が写真に沿えられることになります。
Aperture補正のコツ:一段落したら「M」。忘れている何かを見つければ、さらに写真は伸びる!
まとめ
というわけで、以上で今回のAperture補正ゼミはおしまいです。これからも具体例を挙げながら「僕はどんな補正をしているのか?」をご覧いただこうと思っていますので、デジタル写真現像に興味のある方はお楽しみに!「Aperture 3」、イイソフトですよ!
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