Home > コラム > 大雪の時、死んだじいちゃんは「かだれ」「べろ」と言った。

'10 03月11日 (木) 07時07分 : 大雪の時、死んだじいちゃんは「かだれ」「べろ」と言った。

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大雪が降ると、じいちゃんは率先して雪かきをした。家族の中で誰が雪かきをするかについては、僕が生まれる前から決まっていたようで、黙々と耳あて付きの帽子をかぶり、水を撥ねるズボンをゆっくりと履いていた。あまりにも雪が多い時は、一旦外に出て行った後すでに真っ白になっている姿で、

「かだれ」

とじいちゃんは言った。これは「一緒に来い」という意味。「加担しろ」→「加担すれ」→「かだんすれ」→「かだれ」という原義かなぁ? 不安だけど、とにかくそういう意味だ。一方、小さい頃の僕は雪かきが当然ヘタだから、自分には持ち上げられないぐらいに大きな雪の塊に四苦八苦したり、もう一度雪かきしなきゃいけない場所に雪を投げてしまったりする。すると、じいちゃんは僕のスコップを取って軽々と雪を投げながら、

「べろ」

と言った。この言葉、最初は本当に意味が分からなかったんだけど、よくよく考えると、こういうことだった。

  1. 「べろ」
  2. →「おべろ」
  3. →「おぼえろ」
  4. →「(やり方を)憶えなさい」

そんなこんなで雪かきが終わると、ばあちゃんがコーヒーを入れてくれた。じいちゃんはそれをゆっくりとゆっくりと飲んだ、そのコーヒーはばあちゃんの気持ちがこもった甘い甘い飲み物だった。じいちゃんは死んでしまったし、ばあちゃんもいよいよ年だけど、あのじいちゃんの力強さと、ばあちゃんのコーヒーの甘さは、僕を守ってくれていた力の象徴にように、今も思い出される。だからこそ、今度雪が降ったら僕が雪かきするんだ、と思うのだろう。

北国の人は、そんな風にして今日も雪かきを憶えている。

Comments:2

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pokopapa 2010年3月12日 02:45

夏の終業式が終わると,宿題や習字道具、ピアニカ、課題図書など抱え帰宅したおいらはすぐに白浜にはむかわない。
深久保の、じいちゃん(祖父の弟)のところまでまっしぐら。
雨、時化とか台風でもなければ「あべ」と言ってもらって毎日刺し網の邪魔をしてました。週に何度かじいちゃんの家に泊まりにいって寝る前には必ず、「小便しとけよ」と笑いながら言われました。おねしょの記憶はないけど、したんだろうなぁもうちょっと小さいとき。

from8.org管理人 2010年3月24日 22:49

>pokopapaさん

コメントありがとうございます!
コメントいただいた事を見逃してしまいまして、すっかり
お返事が遅くなってしまいました。本当に申し訳ありません。

>雨、時化とか台風でもなければ「あべ」と言ってもらって毎日刺し網の邪魔をしてました。

そうですそうです、「あべ」です!
きっとゆっくり話すと「あんべ」なんでしょうけれど、この言葉はまったく語源が想像できないなあ・・・
小さい頃、薄暗い夕方に外出することがあって(近くに住む遠縁の従兄弟の家におすそ分けを持っていく)、
怖がっている僕を連れて行く親がよく言ってました。ああー、なんか記憶がぐわぁぁっと
蘇ってきました、昼間葉っぱを取りに行っていた桑の木が、夜になると怖くて怖くて・・・

なんかもう、ありがとうございます!たまらないコメントでした!

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