
今回ご紹介させていただくサイトは、昨日の記事で採り上げた「虎鯖棒すし」を作られている八戸ニューシティホテル取締役の谷口板長さんのブログ「鯖の味噌煮とバスケのコーチ」です。このブログの面白さは、谷口板長の「アツさ」もたまらないのですが、何よりスゴイのは「虎鯖棒すし」を含む数々の料理の開発や試行錯誤の過程がつまびらかにされているという驚くべき点です。「虎鯖棒すし」という素晴らしい商品を開発したご本人が、その味の維持・改善のために行っている努力をギリギリまで公開しているというのは、素人の僕から見ると心配してしまうような内容です。だからこそ、面白い。
「船上血抜き」「海水氷」「りんご酢」「ブルーベリー」「脂ぶくろ」・・・
谷口板長さんのサバにかける情熱たるや、スゴイものがあるんです。サバのブランド化・差別化・流通・販売といった商売の側面も、さらなる味の追求という料理人としての側面も、両方お持ちです。例えば、こんなテーマが採り上げられています。
- 船上で血抜きをする処置と、海水を凍らせた「海水氷」を用いることでサバの味を高める試み(該当エントリ1・2)
- 青森県名産のリンゴのみを原材料とした無添加の「リンゴ酢」を用いた〆鯖開発の現状(該当エントリ)
- 「鯖のブルーベリー煮込み」といった様々なサバの煮付けの研究開発(該当エントリ)
- 八戸のサバの良さを象徴する「脂ぶくろ」とは何か?(該当エントリ)
こんな「いや、それってアイデアとしてコッソリ温めておいても良かったんじゃないの?」と思えるような魅力的なテーマを、自らが「虎鯖棒すし」展開の責任者である谷口板長ご自身の言葉で書かれている。もちろん写真も詳細に掲載されていて、谷口板長さんや関係者さんの試みがどんな結果を生んだかが一目瞭然で分かってしまう。
例えば、2006年という年に獲れたサバは非常に上物で「06サバ(ゼロロクサバ)」と呼ばれていることを、知っていますか? 季節によってサバの肉の色の透明度が変わるということを、知っていますか? 谷口板長さんのサイトは、「虎鯖棒すし」のみならず、サバという魚が持つ様々な魅力や面白さを丁寧に扱ってくれています。おそらくは八戸の人でもご存じないことが多いと思いますし、全国の方ならなおさらです。
八戸には、こんな風にサバに命を賭けている人がいます。だから、サバが旨い。当たり前のようですが、得難いシアワセでもあると、僕は思います。
谷口板長のお料理あれこれ1・〆鯖

先日の記事では「虎鯖棒すし」の圧倒的な美味しさをご紹介しましたが、谷口板長のお店「七重」では棒寿司の他にも様々なお料理が楽しめます。こう書くと先日の記事の信憑性が疑われてしまいそうですが・・・全部旨かったです(笑) そんな中で、2品ほどご紹介。
まずは、〆鯖。「虎鯖棒すし」も〆鯖の料理ではありますが、右の写真にあるこちらの〆鯖はまた違った味わいです。ワサビ醤油でいただくんですけど、食べた瞬間に「虎鯖棒すし」のサバとはまったく違う方向性で味が設計されていることに気づきます。
- 虎鯖棒すし:サバ独特の臭みがまったく無い。旨味がまろやかに口の中に広がるやさしい味。
- 〆鯖:ワサビに乗ってサバの香りが舌を刺す。サバの個性を鋭く研ぎ澄ませた強い味。
前者が丸い味だとすれば、後者は矢印のような鋭い味。サバ好きの僕は、後者も好みです(酒が進むんだよなぁ、コレが!)。同じサバをこれほどまでに別なコンセプトでまとめるというのは、やはり餅は餅屋ならぬ「鯖は鯖屋」といったところでしょうか。
谷口板長のお料理あれこれ2・一手間が光る「せんべいみみ」

次のお料理は、「せんべいみみ」と八戸では言われています。八戸名産の「南部せんべい」は、その製造過程において「みみ」が出ます。パンの耳は焦げた周辺部を指しますが、南部せんべいの耳は丸い焼き型からはみ出た部分を指し、薄かったりモコモコとした形をしていたりします。そんな「せんべいの耳」はそのまま食べても美味しいんですけども、谷口板長さんはこれに塩・こしょう・バターなど(詳細はヒミツ)で味付けをされています。
これがねー・・・酒飲みにはピッタリなんすよー(涙)
香ばしくて、程よい塩味の向こう側に、せんべい生地の旨味が見えてくる。「噛めば噛むほど」という表現がピッタリの逸品です。八戸では「せんべいの耳」は袋に詰められて安価で買えるため、家でオヤツとして家族揃ってパリポリ・モサモサとそのまま食べることが珍しくないのですが、こんな風に一手間加えるだけで極上のツマミになるんだ・・・と感心した次第です。
ちなみに、こちらの写真で「せんべいみみ」の右に写っているマンガ本は、ラズウェル細木さんの「酒のほそ道」。実際にラズウェル細木さんが来店・実食され、「虎鯖棒すし」が掲載されたんですね。その結果、全国からラズウェル細木さんのマンガを信じるファンの皆さんが来店されているんだそうですよ。なんというか・・・スゴイですよね。実際に人が動き、メディアが動き、八戸の美味しいものが全国的に有名になっていく現場に出くわしているような、そんな錯覚を覚えます。
今日の写真
今日の写真はもちろん谷口板長さんのお店「七重」さんのカウンターです。広がっている皿はもちろん僕の食べ終わったもので、デカいカメラをぶら下げて赴いたというのに、気がついたらほとんど食べ終わっていました。ウッカリしてました・・・というか、食べ始めたら止められなかったんです。情けない一方で、それだけ美味しいという証明にもなるかと思います(自己弁護)。
というわけで、こんな数々のお料理を作り出されている谷口板長さんのブログ、要チェックです!
「鯖の味噌煮とバスケのコーチ」さんへ
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