
新幹線の中で「自分はどれぐらいのスピードで移動しているんだろう?」と疑問に思う時があります。といっても、実際の時速は知識として理解してはいます。時速300km程度です。知識として、数値として知ってはいるんですけども・・・一方で、「時速300kmとは、どんな意味合いを持ち、どんな実感として感じるべきスピードなのだろうか?」というところは、ちっとも理解できていないわけです。例えば自動車であれば「時速60kmは、広い道路だと遅く感じるけど、狭い道路だとかなり早く危険に感じる」速度です。同じ時速60kmでも、もし自転車で時速60kmなんて出したらエライ事になるでしょう。それから、歩く速度は時速4kmほど。最寄り駅に歩いていくには6分かかる・・・なんていう風に、距離とスピードを関連づけてイメージできます。「時速4kmは、危なくないけどいささか遅い」ことを、腑に落ちる実感として理解しています。
じゃあ、時速300kmという速度は、僕にとって、僕の感覚として、どんな意味を持つスピードなんだろう? そんな疑問を持っていた僕は、新幹線に乗る時にこんな事をしてみたんです。
- 目を閉じる。
- 自分を映すテレビカメラをイメージして、それをずーっと引いていき、新幹線の外側にまで引き上げる。
- 新幹線の車体や他の観客などをイメージの中から消して、自分だけが線路の上に浮いて時速300kmで移動している様子をイメージしてみる。
- それは、新幹線に乗っていない人から見たらどんな光景だろうか? とイメージを観察してみる。
これはなかなかシュールな光景で、腰を下ろしたスーツ姿の僕がビューン! と飛んでいく訳で、なかなか楽しいイメージです。下品な例ですが、新幹線のトイレで大きいほうをしている時、おしりを出した僕が飛んでいくイメージなんていうのは、かなり楽しい。
楽しいのは良いんですけど、こんな風に思考実験をしてみても、やはり時速300kmとはどんなスピードなのか、結局は理解できていません。すごく危ないスピードなはずだし、東京−大阪間を2時間強で結ぶ超高速なんだろうけど・・・どれぐらい危ないのかも、どんな距離を翔ける事ができる速度なのかも理解できないままです。残念。歩いたり自転車に乗ったり自動車に乗ったりする時の「スピードの理解度」にはほど遠い状況です。
でも、こんな思考実験をしたことで、ちょっと面白いことが出来るようになりました。夜明け前にふと起きた時などに、目を閉じて「自分は新幹線で時速300kmで移動している」とイメージしていくと、本当に新幹線に乗っているような気になれるようになりました。
夜明け前の青い窓の下のベッドで、ふとした弾みで起きてしまったおかげでイマイチ上手く眠れない夜明け前を過ごしている僕。一方で、イメージの中のもう一人の僕は時速300kmで移動している。僕は座ったままの姿勢で空中に浮きながら、スーツのネクタイを少し緩めてうたたねしていて、同時に家のベッドの上で丸くなって毛布の匂いに身体をうずめている。時速300kmで飛びながら、時速0kmで止まっている。
そんな風な二人の自分を照らし合わせたりしていると、いつの間にか眠りに落ちていたりするのです。眠りは時速300kmとは比べものにならないほどに、まったく気付けないほどのスピードで僕の意識を奪い、飛んでいる僕も止まっている僕も宇宙の終わりみたいに消えてしまいます。
・・・例えるならば、眠りは時速何kmなんだろう?
サイト管理者からひとこと
ここのところリアルライフで色々ありまして、サイト更新が2週間ほど止まってしまいました。大変申し訳ありませんでした。
ちなみに今日の写真はスピードを意識したものなんですが・・・実は単純に「カメラ(もしくはメモリカード)が壊れて、変な帯が入ってしまった写真」です。よく見ると「おんでやんせ」なんて書いててあって、しっかりと八戸で撮影した写真なんですけども・・・気づかれた方、いらっしゃいますか?
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